「DHA・EPAは体にいい」――そう聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。
最近では健康番組や雑誌で特集されることも多く、サプリメントとしても注目される存在になっています。
でも、なぜ今これほどまでに注目されているのでしょうか?
その理由は、現代のライフスタイルや加齢にともなう健康課題と深く関係しています。
DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)は、いわゆる「オメガ3脂肪酸」と呼ばれる栄養素で、青魚(サバ、イワシ、マグロなど)に多く含まれています。
私たちの体内ではほとんど合成できない“必須脂肪酸”であるため、外から摂取する必要がある栄養素です。
DHA・EPAが注目される一番の理由は、血液や血管の健康をサポートする働きがあるからです。
EPAには血液をサラサラに保ち、血栓をできにくくする作用があるといわれています。また、DHAには中性脂肪や悪玉コレステロールを抑える働きがあり、心臓や脳への負担を軽減する可能性が示されています。
こうした作用は、動脈硬化・高血圧・心疾患といった生活習慣病の予防に役立つとされており、特に中高年の世代から高い関心を集めています。
DHAは、脳や神経の細胞膜の構成成分でもあります。
そのため、記憶力・判断力・集中力といった“思考力”のサポートにも関わる重要な栄養素として位置づけられています。
最近では、加齢によって記憶や判断力が低下する現象に悩む人が増えており、DHA・EPAの摂取が「脳のエイジングケア」としても注目されるようになっています。
健康に役立つとされるDHA・EPAですが、実は現代の日本人にとって不足しがちな栄養素でもあります。
かつては魚中心の食生活だった日本人ですが、近年は肉食が増え、青魚の摂取量は大幅に減少しています。
その結果、厚生労働省の調査でも「DHA・EPAの平均摂取量は推奨量に届いていない」というデータが報告されています。
魚を毎日食べるのは現実的に難しい、という声も多く、食事だけで十分に補うことが難しくなってきているのが実情です。
DHA・EPAがこれほど注目されているのは、単なる健康ブームではなく、現代人が抱えるリスクや栄養環境の変化に深く関係しているからです。
血液・血管・脳と、私たちの健康に広く関わる栄養素でありながら、不足しがち。
だからこそ「今、意識して摂るべき成分」として支持を集めているのです。