「魚を意識して食べているから、DHA・EPAは足りてるはず」
そう思っていませんか?
実は、現代の日本人の多くが、DHA・EPAの摂取量が推奨基準に届いていないことがわかっています。
その理由は、「魚を食べているつもり」では足りない、いくつかの落とし穴にあります。
日本人は昔から魚を多く食べる民族といわれてきましたが、近年では状況が変わってきています。
農林水産省のデータによると、日本人1人あたりの魚介類の消費量は年々減少。
特に若い世代では、「調理が面倒」「においが気になる」「骨が多い」などの理由で、魚を食べる機会が少なくなっています。
その一方で、肉類の消費は右肩上がり。
魚から摂れるDHA・EPAよりも、肉に多く含まれる飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を摂る機会のほうが増えているのが現状です。
日本人の食事摂取基準(2020年版)では、成人で1日あたり1,000mg程度のDHA・EPA摂取が推奨レベルとされています。
これは、目安としてサバの切り身1枚(約100g)で約1,000mg。
つまり、毎日脂ののった青魚をしっかり食べてようやく基準に届く程度です。
しかし、実際の摂取量は平均で400〜600mg程度にとどまっており、不足気味。
しかも外食や加工食品が多い人、ダイエット中の人、魚が苦手な人では、この数字よりさらに低い可能性があります。
たとえ魚を食べていたとしても、DHA・EPAが不足しやすい理由はほかにもあります。
- ●調理法による損失:焼き魚や揚げ物にすると、熱に弱いDHA・EPAが一部壊れてしまうことがあります。
- ●魚種による違い:白身魚(タイ・タラなど)はDHA・EPAが少なめ。青魚(サバ・イワシ・アジなど)を選ばないと効果的な摂取になりにくい。
- ●摂取の偏り:魚を食べる日と食べない日の差が大きく、毎日安定して補えていないことも。
つまり、「週に何回か魚を食べている」だけでは、必要量には届きにくいということなのです。
DHA・EPAは、体内で合成することがほとんどできない必須脂肪酸です。
そして、1回にたくさん摂るよりも、毎日こまめに摂ることが大切とされています。
そのためには、魚料理をこまめに取り入れる工夫はもちろん、
不足しがちな分をサプリメントで効率よく補うという選択肢も、現代では非常に現実的です。
とくに食事量が減ってくる中高年世代や、健康リスクを感じ始めた方にとっては、
食べ物だけに頼らず、毎日安定して摂れる手段を確保しておくことが重要です。
魚を食べている“つもり”でも、実際には足りていないDHA・EPA。
その背景には、食生活の変化や調理法の影響、魚の種類の違いなど、さまざまな要因があります。
だからこそ、DHA・EPAを毎日安定して摂れる手段を持つことが、将来の健康を守る大きな一歩になるのです。